2012年6月29日金曜日

ルーヴェンで英語を勉強する(1)

語学学校について 

蘭語・仏語・独語が公用語の国・ベルギーで「英語」を学ぶ…というのはちょっと奇異に映るかもしれません。

しかし私の場合、ベルギーでの滞在期間は一年と限られていましたし、諸般の事情で9月から3月までの半年余しか語学学校へ通える時間が取れそうにありませんでした。こんな状況下では、新しい外国語である「オランダ語」や「フランス語」を一から勉強するより、一応、学生時代からウン十年学んできた英語の勉強を続けたほうがいいだろうという気持ちが私の中では固まっておりました。

また、ベルギーで「英語」を学ぶ人たちはどのような人たちなのだろうか、という興味もありました。そこで、ルーヴェンで英語を学べる語学学校にアプローチすることにしたのです。ここでは、私がチャレンジした「ルーヴェンの語学学校で英語を学んだ」経験をご紹介したいと思います。


2012年6月28日木曜日

ルーヴェンで英語を勉強する(2)

ルーヴェンには、KULeuven付属の語学学校「ILT」「CLT」、さらに市民対象の「CVO」といった様々な語学研修施設があります。
それぞれの学校には、語学の習得目標の違いを反映してそれぞれの個性があるようです。 私が通ったのは「CVO」。その様子をご紹介しましょう。

 「CVO(Centrum voor Volwassenenonderwijs)」
http://www.cvoleuven.be/site/splash.php
CVO Leuven Redingenstraat 90, 3000 Leuven
Tel. 016 31 99 20
Fax. 016 58 26 14

CVOは、Centrum voor Volwassenenonderwijs(成人教育センター)の略語です。
その名のとおり、地域の成人を対象とした施設で、語学教室のほかにもパソコン関係の講座など、いろいろな講座があります。語学も英語だけでなく、オランダ語・仏語・スペイン語・イタリア語・ドイツ語など様々開講されています。ただ、この学校はあくまで現地・フランダース人が対象で、インターネットのサイトや説明書などもほとんどがオランダ語で書かれています。しかし、事務スタッフは英語もわかりますので、問合わせは英語でも大丈夫。

ただ、あくまで地域住民のため施設という理由のため、登録の際は居住IDの提示が求められます(短期滞在者は受講できない)。年度は9月初めから翌年の6月末まで。週一回の講座(3時間)。昼間のクラスと夜間クラスがあります。受講料は年間で120.00EUR(2012-13年度・英語の場合)。他にテキスト料(34ユーロ)。

2012年6月27日水曜日

ルーヴェンで英語を勉強する(3)

登録手続き

CVOの登録手続きは6月初旬。その年9月からの1年間の受講登録ができます。登録開始日はインターネットで確認できます。
CVOの建物は、大ベギンホフのすぐ横。目立たない入口を入ると右手に食堂があるのですが、それを抜けて奥の方まで行くと、左手に事務室(セクレタリーと小さな看板が出ている)があります。事務室の周辺には、たいてい事務手続き待ちの幾人かがいるので、場所はすぐわかります。事務室への入室は来校順。行列はありませんが、順序を守って一人が退出したら次の人が入室するという不文律があります(事務室前の信号機が青になると入室可という意味)。
入室すると事務スタッフがいるので、語学講座を受講したい旨を告げると手続きをしてくれます。 2012年-13年度の受講申し込み開始日は6月4日。当日は結構大勢が受講申し込みに来ていましたが、事務スタッフも勢ぞろいでしたのでそれほど待つことはありませんでした。
初めて語学講座を受講する場合はレベル1からスタートになります。しかし、それ以上のレベルから受講したい場合は、レベルテストを受ける必要があります。事務所でその希望を述べるとレベルテスト受験の登録をしてくれます(私の場合は6月26日の午後5時半からでした)。そのテストの結果を講師が見て、「あなたはレベル○○のクラス」という書類にサインしてくれますので、テストの後、本受講登録をして料金を支払うと受講手続きは完了となります。

2012年6月26日火曜日

ルーヴェンで英語を勉強する(4)

レベルテストの内容

私と同じ日にレベルテストを受けたのは、英語が5~6人、フランス語3~4人といったところでしょうか。指定された日時に事務所の前で待っていると、語学講師がやってきてテストの開始を指示します。テストは事務室の横にある食堂の片隅でおこないました。日本人がイメージする「テスト」の雰囲気とはかけ離れているので、ちょっとビックリ。

講師は受験者に問題冊子とアンサーシートを渡し、解答の仕方を説明します。テストはマーク式。4択問題。はじめに問題冊子の1から60問までを解くよう指示があります。問60までは、日本の中学生レベルの文法問題が全体の7割くらい(単数・複数の区別とか現在進行形とか)、日常会話で頻繁に使われる表現などが(How are you?と聞かれたらなんと答えるか?みたいな設問)2割くらい、あとは簡単な文章の読み取り。多少引っ掛け問題はありますが、日本で大学受験を経験した人なら特に難しいことはありません。 60問の解答が終わると一旦解答用紙を講師に提出します。講師は自分の目の前で採点します。採点しながら講師は受験者にいくつか簡単な質問をします(いつからルーヴェンに住んでいますか?とか仕事は何ですか?とか)。おそらく、インタビューテストでしょう。 60問の採点が終わり、講師がレベルを決めかねる場合、さらに30問(61問から90問)答えるように言われます。

私は、60問が終わったらおしまいだと思っていて、のんびり1時間くらいかけて受験していたので、さらに30問も答えると知ってちょっと驚きました。残りの30問を30分くらいかけて解答して再度提出・採点。後半の30問は、仮定法過去完了とか原形不定詞とかの文法問題や、日本の学校では絶対教えないような英語独特の慣用表現からの出題もあり、若干難しく感じられました。 90問すべての採点が終わるとレベルが決定。1時間半のテストを受けるのは、さすがにちょっと疲れます。さらにベルギーらしく事務手続きものんびりしていますので、5時半にテスト開始してから、受講登録完了まで2時間以上。帰りは午後8時近くになっていました。

2012年6月25日月曜日

ルーヴェンで英語を勉強する(5)

いよいよ、授業

受講登録の際、自分の受講希望時間を申し出ます。英語の場合、ひとつのレベルにつき、午後と夜の部の授業があります。私は、午後のレッスンを希望。月曜の午後1時から4時20分まで。間の10分休憩。講師は、英語がネイティブレベルのベルギー人の30代女性。授業は全て英語でした。テキストはBBC・Speaksout、2冊。教室は301号室。テキストは事務室で購入できます。受講する部屋は事務室で教えてくれますし、入口近くにあるTVスクリーンにも表示されています(蘭語表示)。

週一回のレッスンでしたが、読み書きは出来ても会話経験の乏しい典型的日本人である私は、スピーキングの得意な現地の人についていくのが大変でした。クラスメイトは7人でしたが(フラマン人を中心に、リトアニア人や仏語系ベルギー人などいました。東洋人は私だけでした)、みんな流暢に英語を話します。ディスカッションもガンガン。
授業内容は、テキストに沿って課題を解いたり、ディスカッションしたりする形式。フラマン語が母語の受講生が多いので、蘭語話者が英語を話すとき間違えやすいポイントを強調して教えることがやはり多かったです。日本人が苦手とする部分と違うので、その点を知ることができたのは面白かったです。宿題もあります。発表も2週に一回、小さなスピーチ。3月頃に10分程度のスピーチ発表(スピーキングのテスト)。

1月と5月には、中間試験と期末試験があります。日本のテストとはかなり雰囲気が違うので戸惑いますが、修了証書をもらうためには受験しなければなりません。ちなみに、全て受講して、試験に及第したら、英語能力の証明書(degree)がもらえます。

日照時間

2012年6月25日 午後9時37分撮影。いつまでも空が明るいです。

2012年6月24日日曜日

Durbuy デルビュイ 6月

記念すべき(?)Cambio(カーシェアリング→別項参照)利用の第一回目は、デルビュイ・ワンデイトリップ。
デルビュイは世界一小さな町・美食の街というキャッチフレーズで知られています。日本の皇太子ご夫妻も食事に来たことがあるんですよ。最近は日本からの団体旅行でもデルビュイを訪れることもあるみたい。ただ、列車でのアクセスが悪いので、個人旅行では自家用車がないとちょっと行けないところなのです。
参考にしたのはこのテレビ番組「大人のヨーロッパ街歩き」。日本出国前にテレビで見ていて、行ってみたいなぁとおもっていました。というわけで、満を持しての出発です。

<当日の予定>
午前8時Cambioレンタル→モダーヴ城見学→デルビュイ到着・昼食・観光→16時頃Leuven帰着

<モダーヴ城>
周辺の道路に案内板があります。それに沿っていくと到着します。無料駐車場有り。入館料7.50EUR。無料オーディオガイド付き(日本語あり)で、城内の見学ができます。
アルデンヌ地方の古城のひとつ。とても人里離れたところ、森の中にあります。城主が生活していた頃はもちろん自動車もないので、あまり遠出もできなかったでしょう。近くには楽しめそうなところもないし、人も少なそうだし、どんなに立派なお城に住んでいたとしても、寂しかっただろうなと思ったりしました。
欧州のお城を見ると、「お城で生活するって、決して楽なことではないな、幸せそうではないなぁ」といつも思います。大きく瀟洒な建物、絢爛たる内装、豪華な調度品・・・、とても素敵なんだけど何だか落ち着かない感じなんですよね。私人の生活を捨てて公人として生きていかなければならないという雰囲気。いつも誰かに見られていて私生活がないっていうか・・・。こんなこと考えるのは、まあ、私が庶民だからでしょうけど。生まれながらの王様なら、違和感もなかったのかなぁ?

ところで、このモダーヴ城では、結婚式を挙げることができるんですよ。特に日本人を対象とした結婚式ツアーに力を入れているみたいで、宣伝もおこなっています。城内に小さなはチャペルがあってそこで挙式ができます。さらに城内のダイニングで正餐も催せるという便利ツアー。日本人が結婚式を挙げるときは、お城の正面のポールに日の丸も掲揚してくれるらしいです。年間、何組かの日本人が実際挙式しているらしいです。http://www.belgium-travel.jp/opt/elems/detail/442

<デルビュイ>
デルビュイの街の中心には有料駐車場あります。その横に観光案内所があるので、地図や情報など入手できます。デルビュイは本当に小さな街なので、15分もあれば1周できるかな。近くに川があってその周辺ではキャンプや川遊びもできるみたいです。アルデンヌ地方ということで、ハムやデルビュイだけでしか買えないビールなどをお土産として購入。

<ランチ>
大人のヨーロッパ街歩きの中で紹介していたレストラン「VICTORIA」。ここでランチをしました。一人25EURくらい。
Victoria
rue des recollectines 4 6940 durbuy 086-21-2868

<ル・サングリエ・デザルデンヌ(アルデンヌのいのしし亭)>
デルビュイといえばこのホテル&レストラン。街の中心に立つ有名店です。アルデンヌ地方の食材を使った素晴らしい料理がいただけるということで有名です。その味わいは筆舌に尽くしがたいという評判。ベルギーでも1、2のレストランたということです。残念ながら私はその味わいを楽しむことはできなかったのですが、噂通り皇太子ご夫妻の写真が掲げてありましたよ。
ル・サングリエ・デザルデンヌ
rue comte d`ursel,14 - 6940 Durbuy 086-21-3262

<ジャム>
こちらもデルビュイでしか入手できないジャム。テレビ番組の中では、「たんぽぽのジャム」というのを紹介していましたが、味の方はまあ普通でした。一緒に購入したブルーベリージャムの方が私は好きでしたね(二つで€ 6.56)。私たちは工房に併設された店に行きましたが、デルビュイの街中にもこのジャムを売っている販売店もあります。
confiturerie saint amour
13,rue St. Amour - 6940 Durbuy 086-21-1276
<まとめ>
今回は、初めてベルギー国内をドライブ旅行したわけですが、カーナビ利用はしていたものの、途中工事区間があって通行止めになっていて迂回路を自分で探さなければならなくて、たどり着くのにちょっと大変な思いをしました。カーナビがあっても地図本はやっぱり必携ですね。

デルビュイは思った以上に小さな街で、街並みも白い石造りの家が多く、茶色いレンガ造りの建物中心のフランダースの街とは雰囲気が違いました。結構観光客もいました。バスツアー(日本人・外国人)が組まれているみたい。街を歩いて見学するにはちょうどいい小ささなのかな。可愛らしくて安全そうなのでそぞろ歩きしたい観光客にはいいと思いますが、見どころが少ないので、すっごく無理して行くほどの街ではないかな、というのが正直な感想です。美食の殿堂「ル・サングリエ・デザルデンヌ」で絶対食事をしてみたいとか、川遊びやキャンプをするとか、何か目的があれば楽しいところかなとも思いました。

2012年6月21日木曜日

De Langste Dag Leuven 夏至マーケット

De Langste Dag Leuven(夏至マーケット)は、文字通り、夏至の日、街中が歩行者天国になって、お店が屋台を出してセールをするというイベントです。ちょうどセールも開催中だし、一年中で最も気持ちの良い季節なので、多くの人が外に出て街歩きを楽しんでいます。いろいろな仮装も出て、とっても賑やかです。
ルーヴェンでは、年間何回か大きな屋外マルクトが開催されます。夏至の日、9月第一月曜日、など。詳細はLeuven市のHPで確認できます
夏至の日は本当に日没が遅いんですよ~。サマータイムのせいもありますが、朝5時前から夜10時頃まで明るいです。まだ明るさの残る中、ベッドに入るというのは不思議な感じですよ。

2012年6月14日木曜日

Louvain-la-Neuve ルーヴァン・ラ・ヌーヴ  6月

ルーヴァン・ラ・ヌーヴ。
ルーヴェン市とは曰く因縁のある新都市。その経緯についてはこちらのブログに大変詳しく書かれていました。

ベルギーの言語対立を象徴するルーヴェン(フレミッシュ読み)とルーヴァン(仏語読み)。ルーヴァン・ラ・ヌーヴは40年程の歴史の新しい街。純粋な計画都市というのは、欧州では珍しく、街歩き好きの私としては訪れないわけに行きません。この日は、KULeuvenの建築学部の先生に案内していただきながら、ルーヴァン・ラ・ヌーヴを散策。先生は、ルーヴェンからルーヴァンまでの行きの列車の中で、ルーヴァンラヌーヴの建築学的特徴や歴史についての詳しい講義もしてくださいました(列車の騒音の中だったので、聞き取りに苦労しましたが・・・トホホ)。
雨の一日でしたが、先生の様々な教えもあり、大変勉強になる街歩きでした。本当に、ありがとうございました。

ルーヴァンラヌーヴは、日本のニュータウンに似てますね。ちょうど同時期1960年代後半から開発された千里中央駅にコンセプトがよく似ています。駅に大きなショッピングモールが併設されていること、駅前広場周辺は車と歩行者完全分離で、車は駅地下を通って駐車場に入れるようになっていること、歩行者だけが入れる駅周辺のショッピングエリアを過ぎると、周辺に大学・住居エリアが広がっていることなどです。駅前商店街周辺には広場も設けられていて、各種イベントに使えるようになっています。町並みの外観の素材も統一されていて、小奇麗。雨の多いベルギー対応で、ショッピングエリアの店の前は庇が広くとってあって、街歩きしても雨に濡れないようになっています。
UCL(Universite Catholique de Louvain)の校舎は街と一体となって点在しています。学生寮もあります。基本的に学生の街ですね。建物などは、今の日本のニュータウンと比べるとからとちょっと古びているところ感じますが、何百年の歴史を持つ街に住むベルギー人には新しい街と映るでしょう。

私が感じたルーヴェンとルーヴァンラヌーヴの最も大きな違いは、ルーヴェン大学の分裂についての扱いです。
我がルーヴェンには、大学分裂の記憶を残すためのモニュメントは全くありません。一方ここルーヴァンラヌーヴには、大学分裂の歴史を示した説明看板が駅前商店街の中に設置されていて、このルーヴァンラヌーヴが大学分裂の結果生まれた町であることを忘れないよう、多くの人に訴えています。もちろん、我がルーヴェンの住人も、日頃口にはしないだけで、その経緯と苦しみを覚えているのですが・・・。ルーヴェンの人にとっては、黙殺してしまいたい思い出なのかなぁ。やはり大学を二分するって常識では考えられない痛みを伴うものですから。
年配のKULeuven卒業生と話をする機会があったのですが、彼女は仏語話者。かつてのKULeuven(ベルギー)は公用語が仏語だったのですから彼女はあまりフラマン語が得意ではありません。KULeuvenがフラマン語大学になってしまったことについて、今でも、納得がいっていない様子でした。母校がまるっきり別の大学になってしまったようなものですものね。フラマン語圏ルーヴェンでは、そうした人達の傷口に触れないように(?)あえて、KULeuvenの分裂について口にしないのかもしれません。
一方、ルーヴァンラヌーヴにとっては大学分裂は強く語り継がれなければならない事実であることは間違いないようです。彼らはこの理不尽な分裂を忘れてはいけないという気持ちを未だに抱いているようです。
まあ、こうした深い断絶の結果、両大学の交流もこれまではあまりなかったようで・・・。今後はどうなっていくかわかりませんが、ここにも仏語・フラマン語の言語対立の深さが存在していました。

ちなみに、大学以外あまり見所のないルーヴァンラヌーヴですが、駅から徒歩5分のところに「タンタン」ミュージアムが2009年にオープン。(入館料9EUR)タンタンファンは訪れてみると良いかなと思いました。
お昼は駅前のEXKIで。オーガニック系のセルフカフェで、ランチを取るにはちょうどいいチェーン店なのですが、残念ながら我がルーヴェンにはないんですよね~。

観光でルーヴァンラヌーヴに行かれる方は少ないと思いますが、建築やまちづくりに興味があれば面白いところかと思いました。

2012年6月6日水曜日

ベルギー王立美術館 6月

ベルギー王立美術館(フランス語: Musées royaux des beaux-arts de Belgique、オランダ語: Koninklijke Musea voor Schone Kunsten van België)とマグリット美術館で絵画を堪能しました。ベルギー絵画をこれだけじっくり、何度でも見られるなんて、欧州ならではの幸せ。幸せです。


フレマールの画家(ロベルト・カンピン) 「受胎告知」
北方ルネッサンスの起源と言われる貴重な作品
「油絵」という新しい技術によって透明感のある美しい色彩を実現した
ファン・デル・ウェイデン「ピエタ」
フレミッシュプリミティブの代表的作品
スペイン・プラド美術館所蔵の傑作「十字架降下」と共通するテーマ
ファン・デル・ウェイデン「矢を持つ男」当時の肖像画技術の到達点の高さを理解できます


「オットー大帝の裁判」デレク・バウツ
我がルーヴェンの至宝。ルーヴェン出身のバウツの作品
もともとはルーヴェン市所有の絵画でしたが、現在は王立美術館に所蔵されています。
この絵画にはストーリーがあり、現代の「漫画」の起源とも思えるのですが、どうでしょうか?
ヒエロニムス・ボス 「キリストの磔刑」
北部ルネッサンスの代表的画家・ボッシュの作品
幻想的な絵画を得意とするボッシュですが、これは正統派の宗教画
メムリンク「聖セバスティアヌスの殉教」
メムリンクに興味のある方はぜひブリュージュの「メムリンク美術館へ
ブリューゲル「ベツレヘムの戸籍調査」
ブリューゲルコレクションはこの美術館の見所
宗教画でありながらフランダース地方の風景を克明に描写してあるところが
ブリューゲルらしい特徴

ブリューゲル「叛逆天使の墜落」
幻想的な登場人物(動物?)はブリューゲル絵画の真骨頂
この絵を初めて見たときスタジオジブリの映画
「千と千尋の神隠し」のキャラクターたちを思い出しました。
ブリューゲルの奇想天外なキャラクターたちは日本のアニメにも影響を与えてるのかな?
(宮崎駿さんがこの絵をみたことがあるかどうかわかりませんが、そんな印象をうけました)

2012年6月2日土曜日

Dag van de Open Kerken 教会オープンデー


ルーヴェン市内の教会オープンデーがありました。ベルギーはキリスト教国ですので、市内にはたくさんの教会があります。もちろん信者であれば、教会を訪問して神と対話することも気軽にできるのでしょうが、平均的日本人である私の場合、教会を訪問するというのは、意外と敷居が高いのですよね。不信心なものが、この崇高な場所に物見遊山で行ってもいいのかしらと思ったりして・・・。教会自らがその場所を観光名所として認めていて、観光客を積極的に受け入れているんならいいんですけど、街角の小さな、それでいて信仰心にあふれた雰囲気の教会の場合、二の足を踏んでしまいますよね。
そんな不信心者でも、「どうぞご遠慮なく教会にお立ち寄りください」というイベントが市内の教会8箇所でおこなわれました。

Sint-Pieter (Grote Markt) ルーヴェンで最も有名な教会。
普段は有料のデーレク・バウツ絵画などを飾ってある内陣部分も無料公開

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Sint-Michiel (Naamsestraat) 
教会内ではダンスと歌のパフォーマンスがが行われていました

Sint-Kwinten (Naamsestraat) 
4時半には閉館だったところ、ギリギリに入館を認めていただきました
Sint-Antoniuskerk (Pater Damiaanplein) 
ダミアン神父の眠る教会(ダミアン神父については別項)

Sint-Alfonsius(Brabançonnestraat)
現在は閉鎖されて普段は非公開

Sint-Jozef (Bogaardenstraat) 近代的な教会 当日はオルガンコンサートが行われていました
そのほか、O.L.V. Ter Koorts (Vlamingenstraat) 公園の近くにある教会とSint-Jan-de-Doper (Groot-Begijnhof) 我がベギンホフの教会もオープンチャーチデーに参加していました。各教会はスポットライトで装飾され、各教会では、ガイドがスタンバイして求めれば説明をしていただけます。また、コンサートやパフォーマンスなどがおこなわれていました。さらにLeuven周辺の4大修道院
Abdij van Park (Heverlee), Vlierbeek (Kessel-Lo), Keizersberg (Leuven)、 Sint-Geertrui (Leuven)も開放されていたそうですが、こちらには今回は訪問しませんでした。

雨の中、これだけの教会に歩いて訪問していくのはなかなか骨折りでしたが、すべての教会がそれぞれに個性的で見所も多く、信仰心の薄い私でも敬虔な気持ちになってしまうような教会の雰囲気には、やはり圧倒されました。とても良い機会であったと思います。

Wereldfeest Leuven (Leuven's World Festival)

Wereldfeest Leuven (Leuven's World Festival)は、各国の音楽や商品を紹介したり、各国料理の屋台などが出店していたりするお祭り。6月の第一週末に毎年開催されているみたい。夏のルーヴェンは毎週何かしらイベントがあるのですが、この日はBruul公園での夏祭り。外に出ると気持ちいい季節なので、みんな芝生に寝転んで、ビール片手にのんびりしていました。

<Leuven's World Festival実用情報>
開催場所:Den Bruul Park (Brouwersstraat Leuven 3000, Belgium)など
開催時間:午後1時から夜まで
入場無料
URL:http://www.wereldfeest.be/

Koninklijk Museum voor Midden-Afrika 王立中央アフリカ博物館

王立中央アフリカ博物館(Koninklijk Museum voor Midden-Afrika/Musée Royal de L'Afrique Central)は、ブリュッセルとルーヴェンのちょうど間、テルビューレン(Tervuren)の森の中にあります。このあたりは一面が緑に包まれていて、散策にちょうどよい、とても気持ちの良いエリアです。
<アクセス>
土日祝日にバス利用の場合、De Lijn・317番でルーヴェン駅から30分くらいTERVUREN MUSEUMで下車(平日だと410番もある)。博物館の前に大きな象の像があるので停留所はわかると思います。またブリュッセル市内中心地からだとトラム44番利用。このトラムは森の中を抜けていくとても気持ち良い雰囲気。駐車場もあります。
<印象>
国王レオポルド2世の個人コレクションをもとにした展示物。展示は大きく二つに分けられていて、動植物関係(膨大な数の動物の剥製や昆虫、魚など生物関係の展示)とアフリカ原住民の文化遺産(こちらもものすごい数の彫像や衣装・仮面などなど)、さらに、ベルギーによるコンゴ植民地の経緯など・・・。アフリカ以外でこれだけの蒐集品が見られるのは珍しいのではないでしょうか。アフリカについて勉強したい方には大変参考になる展示物だとは思います。
ただ、正直私は違和感を覚えました。研究のためだけだったら、こんなに多くのものをコンゴから運んでくる必要はないのではないでしょうかね。なんというか、レオポルド2世の個人的収集欲を満たすためのコレクションという感じがするんです。金にあかせて次から次へと珍しいものをもってこさせたというか・・・。当時のコンゴ支配の背景を知れば知るほど、そんな気がします。そうして無為に殺された動物の怨念が、なんとなく博物館内に立ち込めているような感じがするんですが・・・。気のせいかな?
もちろん、現在はこのコレクションをもとにアフリカ文明の調査研究の世界的中心となっているそうなので、この蒐集も結果的には無駄ではなかった部分もあるのでしょう。南国の動植物に触れる機会の少ないベルギーの子供たちの勉強の場にもなっているようですし。
いずれにしても、博物館を囲むテルビューレンの森の清々しさと、博物館内のおどろおどろしい雰囲気がなんとも対照的な印象でした。
 
ちなみに、このレオポルド2世については、このアフリカ博物館を訪れてからさらに詳しく勉強しました。はい。レオポルド2世とベルギーの歴史について書き出すとこれはこれでキリがないので、それは別項にておいおい試みてみたいと思います。

<実用情報>
王立中央アフリカ博物館(Koninklijk Museum voor Midden-Afrika/Musée Royal de L'Afrique Central)
開館時間:火~金10:00-17:00、土日10:00-18:00(12/24・31は15:00まで)
閉館日:月、1/1、5/1、12/25
入館料:4EUR。毎月第一水曜日午後1時から入館無料。
所在地:Leuvensesteenweg 13, 3080 Tervuren  電話:+32(0)2 769 52 11
公式HP:http://www.africamuseum.be/home
参考URL:http://www.belgium-travel.jp/opt/elems/detail/408

2012年6月1日金曜日

ブリュッセルで英語を勉強する ~ ベルリッツ

ブリュッセルのルイーズ通りには私立の語学学校ベルリッツがあります。民間経営なので、いろいろフレキシブルに対応してもらえます。ルーヴェンからはちょっと遠いですが、興味がある方はこちらへ。