2012年4月29日日曜日

ベルギー入国後の手続き(2) ID申請・取得

ベルギーに到着して何よりもまず初めにしなければならないことは、IDの申請です。日本で発給してもらったビザにも「入国後8日以内に居住地の役所に赴いてID申請をすること」と書かれています。
IDはベルギーでの身分証明となるばかりでなく、船便の通関にも必要なものですのでなるべく早く入手したいものです。しかし、多くの方が嘆いているように、その手続きは実に悠長なもので、入手には2ヵ月近くかかったという情報も散見されます。ここでは、我が家の経緯を記しておきたいと思います。
ちなみに、ID申請はベルギーでの居住地が決まっていることが前提となります。居住地が決まる前に申請することも可能ですが、最初に登録した住所から別住所へ移ると改めて新住所への変更手続きが必要となります。ID登録は8日以内とビザには書かれていますがそのへんは多少融通が効くようですので、日本出国前に居住地を決定できない場合は、アパート探しとID登録のどちらを優先するか、ケースバイケースで考えてください。当家の場合は、Groot Begijnhofの入居が決まっていましたので、入国翌日にID登録の手続きを開始しました。
なおID手続きには様々な書類や写真が必要となります。忘れると二度手間になるので日本でビザ申請時にそろえた書類はすべて市役所にもっていくことをおすすめします(私たちも、必要書類を持っていくのを忘れて、あわてて家に取りに戻ったことがありました…)。

<ID申請の流れ>
①市役所でID申請の申し込み。bijlage15の発行。
②警察官の居住地訪問。
③市役所からID登録日の呼出状 (黄色いハガキ)。
④市役所でID登録。bijlage15返却。
⑤船便を通関させるための書類発行。
⑥市役所からIDカード発行のお知らせ手紙が届く。
⑦IDカード取得。

①市役所でID申請の申し込み 
(必要書類)パスポート・写真・居住地証明(アパートの契約書など)
ID申請は、Leuven駅に隣接ているLeuven市役所でおこないます。以前は街の中心にある市庁舎(石のレースと言われているLeuven観光の目玉)で行なっていたようですが、現在では主だった業務は近代的な市役所の方で行われているようです。ちなみに、Leuvenでの公的手続きはすべて英語でおこなうことができます。
市役所に入ると受付があるので、そこでID申請の申し込みに来たこと(初めて来たこと)を告げると、受付番号の書かれた紙を渡してくれます。

指定されたゾーンで自分の番号が呼ばれるまで待ちます。私たちは3月末に入国したので窓口はさほど混雑していませんでしたが、大学の新学期が始まる9月前だとかなり待たされるという話も聞きました。
自分の順番が来たら、持参した書類を提出して申し込み手続きをします。この手続きはあくまで「ID申請をするための申し込み」であって、「ID申請」そのものではありません。後日正式にID申請をするための、これが「第一歩」というところでしょうか。
この際、「ID申請の申し込み中であることの証明書(bijlage15)」も発行してくれます。この書類があれば、ID取得前に銀行口座開設することができますので、ぜひその場で発行を依頼しましょう(無料)。なお、夫婦共有口座を開設したい場合は、二人それぞれの(bijlage15)書類が必要になります。この書類を発行するためには写真がそれぞれ3枚なので、忘れずにもっていきましょう。
(2018年追記)2018年現在、ID申請には事前予約が必要になりました。インターネット経由で予約できます
詳しくは以下のサイトへ。
https://www.leuven.be/openinghours#fcid-9372

②警察官の居住地訪問。
申し込みから10日前後で警察官が自宅を訪問してきます。申請者が本当にその場所に住んでいるかを確認するためです。運よくその際自宅にいれば、警察官がその場で作成した書類に各自サインしてこのプロセスは終わります。不在だった場合は、警察官からのメッセージが残されているそうです。指定された日時にそれを持って警察署を訪れ書類にサインすることになるようですが、我が家は警察官が訪問したとき在宅していましたのでこのプロセスの必要はありませんでした。警察官は2度手間を避けるため家族全員が在宅していそうな時間(夜や週末)に来るという話も聞きました。実際我が家の場合も、土曜日の朝10時頃やってきましたし…(あくまで噂ですので未確認)。いずれにしても不在の場合、警察署への出頭指定日が訪問日の1週間後くらいになるらしいのでID取得が先送りになることになってしまいます。ここは運が作用するところですね。

(2018年追記)現在では、警察の訪問はスキップされて手続きが進むようになったようです(未確認)。情報お持ちも方はお知らせ下さい

③市役所からID登録日の呼出状 (黄色いハガキ)。
警察官の自宅訪問から約一週間後に黄色いハガキが届きます。これが、正式のID登録のためのアポイントメントとなります。ハガキには期日が指定されていますので、その日がどうしても都合がつかなければ別の日に変えてもらうこともできるようです。


④市役所でID登録。bijlage15返却。
⑤船便を通関させるための書類発行。
黄色いハガキと指定された書類を持って、市役所に赴きます。この際、市役所の受付に行く必要はありません。ハガキに書いてある窓口に直行して手続きしてもらいます。(ただ私たちの場合、指定された日時に行ったにもかかわらず、担当者が不在で30分あまり待たされました。その後、別の窓口に誘導されID手続きをしてもらいました。指定期日に担当者が不在というのは、何というか、まあ、ベルギーらしいというか…)
自分の個人情報を入力してもらい、写真などを提出して、電子IDの作成の手続きも同時におこない、ID申請手続きは完了となります(手続き料14.5ユーロ/一人)。
なお、この際「ID申請の申し込み中であることの証明書(bijlage15)」は返却します。さらに我が家の場合、船便の通関に市役所発行の証明書類が必要だったので、その書類作成もこの場で依頼しました(5ユーロ)。この書類は即日発行してくれました。

⑥市役所からIDカード発行のお知らせ手紙が届く。
IDの正式登録手続きをしてから2週間くらいで電子IDが完成した旨の手紙が届きます。中にpinコードが書いてあります。特に指定日などはありませんので、都合の良い日にIDを取りに行きます。
 

⑦IDカード取得。
④の手続きを終えた際渡される紙(領収書付き)と⑥の封筒を持って、市役所に行きます。受付でIDを取りに来た旨を伝えると、それまでのCカウンターではなく、Dカウンターに行くよう指示があります。そこで、電子IDを渡されて、ID申請は終了です。長い手続きが終わって気が抜けたようになりますが…。
とにかくこれで、ベルギーでの居住許可がおりて、無事ベルギー市民として暮らしていけることになります。
よかったよかった。

この際、運転免許の書き換えが必要な場合、申請しておくこと(後述)。

ちなみに、電子IDは常時携帯する義務があります。なお、ID登録してからしばらくすると、ルーヴェン市役所から「市庁舎での新住民説明会」の招待状が届きます。新住民にルーヴェン市のことなど紹介してくれる集いです(別項参照)。