2012年7月5日木曜日

土砂降りの中のオメガング ‐ Ommegang 

オメガングに行ってきました。なんとその日は土砂降り。豪雨になると中止という噂も聞いていたのですが、何とか開催。ただ美しい衣装をまとった貴族たちもずぶ濡れ。面白いパフォーマンスも雨に濡れた石畳の上とあって、転ぶ出演者続出。桟敷席に座っていた私たち観客もビショビショ。それでも、夜23時過ぎまで盛り上がるベルギー人には感服しました。

<オメガングの起源>
オメガングは、毎年7月第一火曜日から木曜日にブリュッセルで開催される祭りです。「オメガング」とはフラマン語で「ぐるぐると歩くwalk around」の意味だそうで、神聖ローマ帝国のカール5世とその息子スペイン王・フェリペ2世がブリュッセルを訪問したときの歓迎のセレモニー起源となっているそうです。
ベルギー(低地地方)の歴史を語るとき「カール5世」の存在を無視することはできません。神聖ローマ皇帝・カール5世は、ハプスブルグ家のフィリップ美公とカスティーリャ(スペイン)女王ファナの子供で、その血筋により、結果的にハプスブルグ家とカスティーリャ家の家督を相続し、フランスを除く欧州大陸のかなりの部分とスペインの植民地であった新大陸を含む広大な領土を統治するにいたった皇帝です。その絶大な権力を負った皇帝が、ベルギーのゲント生まれ・メッヘレン育ちというのですから、ベルギー人が彼を支持しないわけがありません。メッヘレンのヘットアンケル醸造所の地ビール「Gouden Carolus(黄金のカルロス=カール5世)」もその思い出を具現化した商品です。そんなベルギー人が熱狂する黄金の16世紀。「オメガング」はその頃のベルギーの繁栄に思いを馳せたお祭りなのです。
参考URL: wikipedia カール5世

<オメガングの内容>
お祭りは毎年7月第一火曜日から木曜日。メインイベントは火曜日と木曜日の夜グランプラスで開催される一大ページェント。ベルギーの本物の貴族が当時の衣装でグランプラスを「ぐるぐると歩き回る」のです。そのあとは、いろいろな曲芸の披露。旗を使ったパフォーマンスでは子供たちも大活躍。私が一番面白いと感じたのは、長~い竹馬での競技。3mくらいもある竹馬の上で決闘するのですから観客も拍手喝采。さらに花火や騎馬行進など見どころ満載。最後の頃には雨も小雨になって、観客も出演者も満足して帰途につきました

<チケットについて>
このパフォーマンスは火曜の夜と木曜の21時~23時、2回開催。ベルギーのお祭り・イベントは無料のものがほとんどなのですが、このオメガングは有料。このページェントを見学するには入場券が必要です。チケットは公式HPから購入可。グランプラスのブラバンド公の家側の席を予約して、1枚38EURでした。チケットの入手方法は、インターネットの予約表を持って、当日「王の家」の裏側にある観光局の前のブースへ行くと実際のチケットと交換してくれます。
なおパフォーマンスの予定修了時間は23時までですが、例によって例のごとくベルギー時間ですので、始まりも終わりも遅れます。ルーヴェンに帰るのは0時を過ぎた終電になりました。
公式URL:http://ommegang.be/
参考URL:http://www.belgium-travel.jp/opt/elems/detail/332