2012年10月31日水曜日

Tournai トゥルネー 10月

世界遺産の大聖堂を見にトゥルネー(Tournai)へ

フランダースに住んでいると「ワロン」って何となくアウェーな感じがするんですよね。何といってもフランス語しか通じない人が多いので・・・。
気持ちが遠のきがちなワロン地方ですが、ベルギー国鉄キャンペーン・ベルギーどこでも10.00EURという宣伝に釣られて、フランスとの国境の町・トゥルネーへ足を伸ばしてみることにいたしました。

トゥルネーは、ローマ時代に起源をもつベルギー最古の都市のひとつ。5世紀にはフランク王国最初の首都となっている由緒正しき街なのです。
また、その地理的要件からフランス、スペイン、オランダなど各国の支配下に置かれた歴史をもち、百年戦争の際はフランスの支配下にあったこの地域にあって、他の町や村が英軍を支持する中救国の少女ジャンヌ・ダルクの率いるフランス軍を一貫して支持した街としても知られています。
今なおフランスの香りの残る古都トゥルネー。さてどんなワンデイトリップになるのかな?
参考URL:http://www.belgium-travel.jp/wallonia/tournai.html

<日程>
8:22Leuven→ブリュッセル南駅(乗り換え)→トゥルネー駅→鐘楼・大聖堂→昼食→トゥルネー美術館 (Musée des Beaux-Arts)→トゥル橋→トゥルネー駅14:22発→16:00過ぎルーヴェン着

<トゥルネー駅>
トゥルネー駅舎。とっても立派です。また国境の町ということでフランス国鉄の列車も止まっています。何となく異国な感じ。駅舎の立派さからもこの街の栄華がしのばれます。


<鐘楼・グラン・プラス>
駅からグラン・プラスまでは、徒歩15分くらい。商店街を歩いていくと美味しそうな洋菓子店が何軒もあります。やっぱりフランドルとはちょっと異なる、フランスの香りがしますね~~~。街の中心にある鐘楼に観光案内所があります。今回は鐘楼には登りませんでした。
 
<ノートルダム大聖堂>
5つの塔がそびえる壮大な大聖堂。2000年に世界遺産に登録されたトゥルネー大聖堂の重厚なたたずまいは一見の価値があります。長さ134m幅66m。世界遺産に登録されている他の大聖堂(フランスのアミアン大聖堂など)に比べても、トゥルネー大聖堂の荘厳さは抜きん出ているように思います。残念ながら現在は大規模修復工事中で建物の内部まるで工事現場のようでしたが・・・。バラ窓だけが若干見えました。
http://www.cathedrale-tournai.be/cathedraletournai/fr/3716-home.html
 
<大聖堂・宝物館>
大聖堂の中にある宝物館。ここにベルギー7大秘宝のひとつ黄金に輝く聖母マリアの聖遺物箱が展示されています。1205年に制作されたこの聖櫃の隣には、それより大きい聖エルテールの聖遺物箱も展示されています。こちらもまばゆいばかりの黄金の輝きです。それら以外にも、象牙でできたマリア像やベルギーの特産品であるタペストリー(聖ピアと聖エルテールの生涯を描いたもの)など、正真正銘のお宝が目白押し。ベルギーや中世の歴史に興味のある方、ここは、ぜひ訪れて欲しい宝物館ですよ。
写真撮影不可
入館料 2.00EUR

<昼食・Le Pinacle>
Le Pinacle
1 Vieux Marché aux Poteries, Tournai, Belgique 7500,
+32 0 69 220 220
大聖堂の近くのカフェで昼食。従業員さんはフランス語話者。フラマン語は若干話せるけど英語はダメという方で、身振り手振りで注文しました。でもとても愛想はよい方でした。窓の外に大聖堂を眺めながらの昼食となりました(暖かい季節ならテラス席が良さそうでした)。サンドイッチ、パスタ、ビールなど飲んで25.00EUR位。

<トゥルネー美術館>
入館料:2.50EUR。
アールヌーヴォーを代表するベルギー人建築家・ヴィクトル・オルタが設計したことで有名なトゥルネー美術館。市庁舎の横にあります。オルタの設計図が美術館の中には展示されていますので、彼の業績に興味のある方には面白い美術館ではないでしょうか。さらに、所蔵品の中にはマネの絵画が2点もあるのですが(ベルギー国内ではここだけ)、訪れたときは残念ながら一点が外部に貸し出し中でした。ちなみにこの作品(「ラティイユ親父の店」1879年)は、2010年4月・東京・丸の内の三菱一号館美術館の開館記念展覧会(マネとモダンパリ展)の際、来日していました。その時日本で見たこの作品、今回はいずこかに出張中で残念ながら再会できませんでした。(この美術館を維持するための稼ぎ頭なのかな?)。そのほかモネ・ゴッホ・スーラなど印象派の作品、フレミッシュプリミィブの作品、トゥルネー出身の画家の作品など展示されています。来訪者も少ないためとても静かな雰囲気でゆっくりと作品を鑑賞できる、居心地のよい素敵な美術館でした。
 http://www.belgium-travel.jp/opt/elems/detail/318
http://www.tournai.be/en/officiel/index.php?page=12



<トゥル橋>
街の中心から駅へ戻る道は、ちょっと遠回り。エスコー川にかかるトゥル橋経由で秋のトゥルネーを街歩き。フランク王国時代の城壁の一部・トゥル橋越しに見える大聖堂の姿は古都トゥルネーらしく荘厳で品格を感じる素晴らしい景色でした。